
大韓民国
韓国発!
赤いチャンポンと
卵トースト
韓式中華麺の「チャンポン」に韓式餃子「マンドゥ」を添えて。チャンポンの汁は豚骨などをベースに醤油やオイスターソース、粉唐辛子で味つけ。具の魚介や野菜の滋味が溶け込んでいる。マンドゥは大ぶりで、挽き肉に水気を絞った野菜や豆腐を合わせた餡は濃厚な味。
*取材協力:口尾麻美さん。旅をしながら各国の食文化を伝える料理研究家。著書に『おはよう!アジアの朝ごはん』など。
twitter.com/asami_kuchio
撮影:牧田健太郎
![月刊ダンチュウ[dancyu]2022年 1月号](../img/world-b2020/wb_book13.png)
月刊ダンチュウ[dancyu]
2022年 1月号
編集タイアップ企画より

新しいブームが次々に出現するかと思えば、伝統的な食も知るほどに奥深い。ますます注目される韓国グルメ。なかでも、ドラマや映画がきっかけで最近、熱い視線を浴びる料理がある。“韓式中華”。日本に和風中華があるように韓国で独自に進化した中華料理で、本格中華とは別ジャンルとして愛されてきた庶民の味だ。
そんな韓式中華の代表格が「チャンポン」。粉唐辛子入りの赤い汁が印象的。海鮮と野菜の具だくさん麺である。ルーツは山東料理の炒碼麺(チャオマミエン)とされ、福建料理が起源と言われる日本の“ちゃんぽん”とは別物だが、同名なのは日本人がそう呼び始めたからだとか。実はお互いもっと似ていたようで、チャンポンが赤くなったのは40〜50年前。当時は驚いて迎えられただろうその味が、今はスタンダードとなっている。
韓式中華食堂にはなくてはならない一品で、現地では出前を利用する場合も多い。かなり辛いが、魚介類や野菜のだしがしみ出た汁は、どこかほっとする味わい。とりわけ寒い冬など、家の食卓で温かなチャンポンを囲む家族の笑顔もおいしさの一部となっているに違いない。
さて、現在の韓国で新潮流を起こしているのがパンである。本格的な西欧パンが増える一方で、昔ながらのパン食も進化している。特に人気は、屋台の味でおなじみの「トストゥ」。直訳すればトースト。バターを塗った鉄板で焼く食パンと甘じょっぱい味つけが特徴の韓式ホットサンドだが、お洒落なスタンドも出現し、味も姿も洗練されたカフェ風に生まれ変わりつつある。
とはいえ、昔風のトストゥも健在。朝食の定番として、今も韓国の人々の暮らしに根づいている。食パンをたっぷりのバターで焼く香ばしい香り、口の中にあふれる熱々の具のおいしさが一日の始まりを告げる。刻々と変化する韓国の食シーンだが、日々の食空間を包む温かな空気がこの国の味を支えているのに変わりない。
ふわふわ卵と甘いマヨネーズソース。
韓式卵トースト「エッグ・トストゥ」
甘じょっぱい味つけの中に香ばしさと旨味があふれる。
新しいのに、不思議と懐かしいおいしさ
鉄板で焼いた食パンのバターたっぷりトーストに、ふわふわのスクランブルエッグ、ベーコン、チーズ、甘いマヨネーズソースなどを挟んだ「エッグ・トストゥ」。日本でもファンが増加中!お洒落なカフェ風に進化した韓国名物のパン料理です。

おススメのパン

材料:2人分 | |
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ロイヤルブレッド(6枚切り) | 4枚 |
ベーコン | 3枚 |
卵 | 4個 |
スライスチーズ | 4枚 |
バター | 大さじ6 |
牛乳 | 大さじ3 |
グラニュー糖 | 大さじ1 |
塩 | 小さじ1/2 |
韓国風マヨネーズソース(※) | 好きなだけ |
(※)マヨネーズと練乳を1対1の割合で混ぜて作ります。 |
作り方
ベーコンは半分の長さに切り、弱火で温めたフライパンで、両面をこんがりと焼いて取り出しておきます。
スクランブルエッグを作ります。ボウルに卵を割り入れ、牛乳、グラニュー糖、塩を加えて溶き混ぜ、バター大さじ2を弱火で溶かしたフライパンに流し入れて、時おりかき混ぜながらふわりと仕上げます。
フライパンにバター大さじ1を熱し、ロイヤルブレッド1枚を入れて弱火で両面がきつね色になるまで焼きます。残り3枚も同様に焼きます。
③のパン2枚の上に、それぞれスライスチーズ2枚、②の半量、①の半量をのせ、韓国風甘いマヨネーズソースを回しかけて残りのパンで挟み、食べやすいように半分に切ります。
一口メモ
ふわふわのスクランブルエッグがおいしさの決め手。卵に火を入れすぎないようにしましょう。今回はマヨネーズベースのソースで作りましたが、現地ではケチャップ+グラニュー糖のソースも人気です。