おうちご飯と相性が良いお皿とは
コロナ禍で自宅で食事をする機会が増えて、「料理の負担を少しでも楽にしたい」と、お惣菜や冷凍食品、調理家電などの人気が高まっています。さらに家庭料理やお惣菜を盛り付けるだけで「レストランの料理のように見える」「食卓が華やかになる」と食器にこだわる人も急増中。
でもどんな食器を選んだらいいか分からないという人も多いでしょう。そこで創業から410年、日本のライフスタイルを見守り続けてきた大丸松坂屋百貨店の矢花恵未さんに、近年の食器のトレンドから、おうちご飯に合わせやすい食器の選び方などを教えてもらいました。
料理のグローバル化から食器の種類も多彩に
和・洋・中はもちろん、エスニックや韓国料理など、世界中のどこを見渡しても、日本ほど自宅で各国の料理を作る国はないでしょう。 全国的に輸入食材店ができて、デパ地下でも各国のお惣菜を取り揃えるようになったのは、ここ20~30年のこと。そして料理の種類が増えたことによって、食器のバリエーションの幅も広がっていきました。
ところが東日本大震災以降、景気の低迷や、ミニマムな暮らしが注目を集めたことなどもあり、この流れはガラリと変わりました。最近は料理にお皿を合わせるのではなく、どんなお料理を盛り付けてもマッチする食器がトレンドです。ではどんな食器を選んだらいいのか。まずは最近人気の4タイプをご紹介します。
1.ワンプレートで使える21~23cmの平皿
昔は一汁三菜が基本で、食器がたくさん並んでいるのが、良しとされていましたが、最近はカフェのように少し大きめのお皿に色々な料理を盛り合わせるのが人気です。例えばおせち料理もお重ではなく、1人分を1枚のお皿に盛り合わせる、お正月ワンプレートなども多くなっています。とはいえ、大きすぎるお皿は扱いに困るもの。日本の食卓にも合わせやすい21〜23cmを選ぶ方が多いですね。
2.食器セットのトレンドはボウルとプレート
かつては食器セットというと5枚セットが定番でしたが、世帯構成が少なくなったこともあり、最近はあまり人気がありません。代わりに人気を得ているのがサラダボウルと21cmほどのプレートの組み合わせです。ボウルはサラダだけでなく、スープやシリアル、ご飯も盛り付けられる優れモノ。一方のプレートはおかずだけでなく、パンやパスタにもぴったり。この2つがあれば、大体の料理がカバーできるのです。自分へのギフトとして購入される方も多いですね。
3.いつもの料理にお皿で季節感をプラス
外出が制限されるなか、お皿で季節感を取り入れる人も増えています。例えば、同じサラダでもガラスの器に入れれば夏っぽく、陶器のお皿に入れれば温もりを感じることができます。お料理はいつもと同じでも、素材の違うお皿があれば、簡単に食卓に季節感を取り入れることができるのです。なかでもここ数年人気なのが、春のお皿。桜を思わせるピンクや、菜の花をイメージさせる黄色、若葉のような黄緑色の食器が幅広い層の方に人気を集めています。
4.銘々皿と豆皿は、デザイン性の高いものが人気
ワンプレートで使える大皿が人気の一方で、15cm以下の銘々皿や、掌にのるぐらいの豆皿も注目を集めています。これらの小さなお皿は、凝った絵柄やデザイン性のあるものを選ばれる方が多いですね。こだわりのお皿でも1000~2000円ほどと比較的リーズナブルなこと、小さいのでデザインに特徴があっても派手になりすぎず、それでいて食卓が華やぐことなどが人気の理由だと思います。小さなお皿は、ベーシックなものよりも好きな絵柄を選んでみましょう。
使いやすさナンバー1はやっぱり白いお皿!
最近のトレンドをご紹介しましたが、和・洋・中、何にでも合う食器の大本命は「白いお皿」です。皆さんも一枚ぐらいはお持ちではないでしょうか?売り場でも白いお皿は必ず数種類取り揃えていて、ちょっと模様のあるものなどを含めると、約半数が白いお皿になると思います。
白いお皿の魅力は、どんな料理を盛り付けても見栄えがよく、色や柄のあるお皿と並べても自然とマッチすることです。
ところで白いお皿にもさまざまなニュアンスがあります。基本的にはどんな白でも、料理との相性は良いので失敗はしませんが、よりこだわりたいという方は、洋食には青白く艶のある白を、煮物などの茶色い料理や和食にはナチュラル感のある白を選ぶといいでしょう。
ちなみにレストランではよく、白いお皿にちょこんと料理を置いて、余白のある盛り付けをしますが、これは実はとても高度な盛り付けテクニック。ご家庭で料理を“映え”させるなら、余白は作らず、たくさん盛り付けるのが、簡単に美しく見せるコツです。
ヤマザキ春のパンまつりのプレゼントも白いお皿!
矢花さんのお話で、おうちご飯を華やかに見せる食器にも色々なものがあることがわかりました。
ちなみに山崎製パンが毎年行なっている「春のパンまつり」でプレゼントされる食器は、使いやすさナンバー1の「白いお皿」。
このお皿はフランスの食器メーカー、アルク・インターナショナル社に毎年オリジナルで作ってもらっているもの。欧米では日本のように器を持って食事をする習慣がないため、分厚くて重たい食器も多いのですが、「白いお皿」は日本の食卓に合うように、軽さや割れにくさなどにもこだわってオーダーしたもの。その使い勝手の良さから、毎年集めているファンの方もいらっしゃるほど好評です。
今年の「白いお皿」は、両手に収まるサイズのサラダボウル。約15cmの直径はサラダやヨーグルトなどを盛り付けたときに、華やかに見えるようにと計算されたもの。そして小ぶりに見えてもしっかりと料理が入るよう、底面は約9cmに。また、下準備した野菜を入れておいたり、調味料を混ぜ合わせるためのボウルにしたりと色々な使い方ができるのもポイント。
いつもの料理もお皿や盛り付けをちょっと工夫するだけで、グッと華やかな印象になります。ぜひ今日のおうちご飯から、取り入れてみてはいかがでしょう?