毎日朝食、食べていますか?
毎日朝食、食べていますか?
なんとなく食べた方がいいと分かっていても「時間がない」「面倒くさい」ということも多いですよね。厚生労働省が発表した令和元年の「国民健康・栄養調査」によると、成人男性の15.5%、成人女性の9.1%が朝食を食べていないことが分かります。
「朝食は心身の健康に大きく関わっています。どんなに簡単でもいいので朝食は食べた方が良いでしょう」と言うのは、ヤマザキッチンのレシピ監修会社・株式会社たべかた代表である管理栄養士の板橋里麻さん。
そこで、なぜ朝食を食べた方がいいのか、どんなものを食べたらいいのか、板橋さんに教えてもらいました。
朝食に関する研究結果によると
1日の食事の中でも特に朝食は大切。朝食を食べることがどう健康に関わるのか、そして、なぜ朝食を食べると良いのでしょうか。 世界中で朝食の大切さに関する研究結果が発表されていますが、例えば、農林水産省や厚生労働省のホームページでは、朝食を毎日食べる人はそうでない人と比較して、
・幼児や中学生、成人を対象とした研究では、睡眠の質がよい人が多いことや不眠傾向の人が少ないことが報告されています。
・中学生を対象とした研究では、学力が高い(学校の成績や学力テストの点数がよい)ことが報告されています。
と紹介しています。
バランスのとれた朝食で摂れる栄養と1日の必要量
そんな重要な役割をもっている朝食の定番といえば食パン。忙しい朝でも簡単に準備ができるので、重宝しますよね。実は新生活が始まって、忙しくなりだす3月頃からパンの需要が伸びて生産量が増え、5月に最も多くなるという調査結果※1もあります。
朝食に食パンと聞いて、どんなメニューを思い浮かべますか?食パン1枚、目玉焼きとサラダ、牛乳といった組み合わせを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
例えば、
・食パン6枚切のトースト 1枚
・目玉焼き(たまご1個分)
・トマト、ブロッコリー、レタスのサラダ(トマト1/4個、ブロッコリー2つ、レタス30g)
・牛乳 200ml
を食べた場合、エネルギー約422kcal、たんぱく質は約19.9g、野菜の摂取量は約75g摂取することができ、一般的な成人男性と女性が1日に必要とする量の約15~30%※2を満たすことができます。
(一般的な成人における、1日に必要なエネルギー量は男性の場合2,650~2,700kcal、女性の場合は2,000~2,050kcal、たんぱく質量は男性の場合65g、女性の場合は50g、野菜の摂取量は男女ともに350g。)
朝食の定番・食パンには何を合わせたらいい?
だけど、「包丁やフライパンを使うのが手間」という日もありますよね。そんな時は、食パン1枚にエネルギーやたんぱく質を含む食材、野菜をのせたりすることで、朝食の栄養バランスアップを簡単に図ることが可能です。
例えば、トーストにゆで卵1個とハム1枚をのせるだけでたんぱく質8.1g、キャベツ1枚で野菜50gをプラスすることができます。
1日に必要な栄養素の1/3を朝食で摂れなくても大丈夫。少しでも朝食で摂ることで、活力のある1日をスタートさせることができます。食パンに多い糖質は午前中のエネルギー源となり、たんぱく質は肌、筋肉、内臓などあらゆる組織を作ることに使われます。さらにビタミン、ミネラルを含む野菜はエネルギー代謝をサポートしたり、腸内環境を整えるのに役立ちます。どの栄養素にも役割があり、バランスを図ることで効率よく体で使われますので、まんべんなく摂ってみてください。
また、健康的な食事を意識した際に「何を食べたら良いか?」に頭を悩ませる方が多いようですが、実は「どのように食べるか?」も健康に影響を与えていることがわかっていて、肥満の人は早食いの傾向があるという報告も出ています。食べ過ぎを防ぐためにも、よく噛んでゆっくり食べることを意識しましょう。そして、必ずしも一食ですべての栄養素をカバーする必要はありません。1日の中、1週間の中でバランスをみながら栄養を補給してください。食パンは、簡単にさまざまなアレンジが可能です。ぜひお好みのトッピングで簡単でおいしく、体に良い朝食を日替わりで楽しんでくださいね。
※1参考データ:食品需給研究センター「小麦粉加工食品の生産動態調査」
※2参考データ:厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年」
※3参考データ:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」