大韓民国
夏の爽やか。
冷たい麺と朝のトースト
韓国の夏の風物詩、冷たい麺料理の「コングクス」。濃厚で風味豊かな冷製ポタージュ仕立ての大豆スープに好みで塩を加えつつ、キムチや副菜と味わう。豆の恵みが詰まったスープは、最後の一滴まで飲み干すのが本場の食べ方。
撮影:牧田健太郎
月刊ダンチュウ[dancyu]
2024年9月号
編集タイアップ企画より
韓国の夏の風物詩、冷たい麺料理の「コングクス」。濃厚で風味豊かな冷製ポタージュ仕立ての大豆スープに好みで塩を加えつつ、キムチや副菜と味わう。豆の恵みが詰まったスープは、最後の一滴まで飲み干すのが本場の食べ方。
撮影:牧田健太郎
月刊ダンチュウ[dancyu]
2024年9月号
編集タイアップ企画より
大韓民国
夏の爽やか。
冷たい麺と朝のトースト
*取材協力:「ニキズキッチン Niki’s Kitchen」ホームステイ感覚で、各国本場の味をネイティブ講師の自宅で教わる料理&英会話教室。今回は、韓国料理教室ミンジョンさんが担当。
www.nikikitchen.com
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「コングクス、始めました」。食堂の店先を飾る貼り紙が、炎暑にささやかな涼を運んでくる。今年も来たねとつぶやく人もいれば、早速店に飛び込む人もいる。日本より湿度が低いとはいえ、8月は30度超えもしばしば。そんな韓国の街角でオアシスを見つけたような人々の笑顔が、夏の大きな楽しみの到来を告げている。
冷たい豆のポタージュに、冷や麦に似た細麺を浮かべた夏限定の美味「コングクス」。味の決め手は、その香ばしくてクリーミーな豆のスープ。近年は豆腐からつくる簡単レシピも出回るが、本来は一晩水に浸した大豆や黒豆を煮て皮をむき、煮汁に胡麻やピーナッツ、さらに豆の皮の絞り汁も加えて丁寧に挽いたもの。豆の持つ濃厚な香りと深いコク……そして滋養が凝縮し、体の隅々にしみわたる。暑さに疲れた心も爽やかに癒される一杯だ。
手間のかかる料理だが、元は家庭でつくる母の味だったという。今は専門店などで食べるのが一般的。みんな多忙な昨今、昔ほど料理にかける余裕がないのが現状だ。
その一方で、アイデアを生かした手軽な家庭料理がSNSなどで次々と発信されるのが今の韓国。パンを使った料理も多く、韓国の食文化と融合させた自由な発想が海外からも注目の的だ。新しくて、おいしそうなだけじゃない。栄養もたっぷりで元気になれそうなものも多い。時代は移り、食卓が変化しようとも、家族の健康と幸福を願うオモニの心は同じなのだ。
さて、韓国の朝。早くから親は仕事、子供は学校や塾と忙しい日々の中で、少しでも家族の時間を大事にしたいと家で食卓を囲む家庭も少なくない。最近の人気は、さっとつくれて満足度の高い具だくさんのトーストなど。「しっかり食べるのよ」。昔から繰り返されてきた母の言葉が、温かく響く朝である。
おススメのパン
サクッと軽く、満足感も十分。
「キムチと焼き芋のチーズトストゥ」
キムチと焼き芋が抜群の相性。
野菜もたっぷりとれるレシピ
新しいアレンジが次々と生まれてくる韓国式トースト「トストゥ」から。今回は、韓国人の大好きなキムチと焼き芋のペアリングが魅力の“ピザトースト風”レシピを紹介します。ポイントは、厚みがあるのに軽い食感の食パンを使うこと。パンのサクッとした食感にこっくりと甘じょっぱい具、焼けたチーズの香ばしさ──。軽いのにボリュームも十分、夏の朝にもぴったりの一品です。(奥は韓国のハーブティー、五味子〈オミジャ〉茶)
おススメのパン
材料(2人分)
ダブルソフト |
2枚 |
焼き芋(市販のもの) |
200g |
白菜キムチ |
100g |
玉ねぎ |
1/4個 |
シュレッドチーズ |
40g |
バター |
大さじ1 |
ケチャップ |
大さじ2 |
作り方
- 焼き芋は皮を取り、フォークの背などでペースト状につぶします。
- 白菜キムチは細かく刻み、玉ねぎは粗みじん切りにします。
- フライパンにバターと②を入れて火にかけ、中火で1〜2分、具がバターとよく混ざるまで炒めたら、ケチャップを加えてさらに混ぜ合わせ、火からおろします。
- ダブルソフト1枚に①、③を半量ずつ、シュレッドチーズの半量を順にのせます。もう1枚も同様にします。
- 230℃に温めたオーブントースターに④を入れ、約7分、チーズが溶けておいしそうな焼き色がつくまで焼きます。
ひとくちメモ
キムチは味わいや食感がしっかりと感じられる、水っぽくないものを選びましょう。焼き芋を家で作る場合は、さつまいもをアルミホイルに包み、160°Cのオーブンで1本につき1時間30分を目安に焼くのが失敗も少なく、便利です(調理時間はさつまいもの大きさによって前後します)。