マレーシア
朝食は、
泡の紅茶とパンの香りで
マレーシアの定番朝食の一つ、薄焼きパン「ロティ・チャナイ」にカレーソース、泡の紅茶「テタレ」のホットを添えて。テは“茶”、タレは“引く”が語源。器から器に糸を引くように注いで泡立てた、まろやかで濃厚な甘味のミルクティーだ。
撮影:工藤睦子
月刊ダンチュウ[dancyu]
2024年8月号
編集タイアップ企画より
マレーシアの定番朝食の一つ、薄焼きパン「ロティ・チャナイ」にカレーソース、泡の紅茶「テタレ」のホットを添えて。テは“茶”、タレは“引く”が語源。器から器に糸を引くように注いで泡立てた、まろやかで濃厚な甘味のミルクティーだ。
撮影:工藤睦子
月刊ダンチュウ[dancyu]
2024年8月号
編集タイアップ企画より
マレーシア
朝食は、
泡の紅茶とパンの香りで
*撮影協力:「HAN(ハン)」東京都目黒区中央町1-19-14 メディス学芸大学2階 ☎︎03-6826-9314 旅する料理研究家・口尾麻美さんが各国で出合った料理とナチュラルワイン、クラフトビールを楽しめる店。
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ふわふわの泡から、カスタードのような甘い香りが漂う。濃く煮出した紅茶にコンデンスミルクを加え、高いところから繰り返し器に注ぐことで泡立てたマレーシアのミルクティー「テタレ」。茶葉の渋みと練乳のコクが、空気を含みながらまろやかに混じり合う。甘くて濃厚、どこかほっとする味わいが魅力だ。
一説によれば、インドのチャイが起源というテタレ。この“泡の紅茶”が、多彩なマレーシア料理によく合う。
筆頭は「ロティ・チャナイ」。小麦粉生地を薄くのばして折り畳み、鉄板で焼き上げる南インド由来のパンで、インド系の食堂・ママッストールにおける朝食の定番。外はパイのように香ばしく、中はもちもち。付け合わせのカレーソースをつけて頬張れば、ピリッとするスパイスの辛味とテタレの甘味が見事な相性。甘辛のループで、夏の食欲も心地よく刺激される。
さらに、中国の喫茶文化と英国風のコーヒー文化が融合したマレーシア式の喫茶店・コピティアムの名物モーニング「カヤトースト」、ココナッツミルクや甘辛のサンバルソースが活躍するマレー系料理──。テタレがマリアージュを奏でる料理はいくつもある。
もともと海のシルクロードに位置するマレーシア。古くから多様な民族が移り住み、それぞれが自分たちらしさを守りながらも共存する文化を築いてきた。マレー系、インド系、中国系などの垣根を越え、国民的に愛されるテタレは、この国の文化的象徴の一つなのかもしれない。
さて、朝食は外食が当たり前のマレーシア。早くから屋台に食堂、コピティアムやカフェも軒並み開店。さまざまな料理が街にあふれる。パンが焼かれ、カレーが煮込まれ、点心が蒸され……。それはこの国らしい風景。いろいろあるって素敵なことだ。
おススメのパン
夏の食卓に。
“とろける卵トースト”と
“冷たい泡のミルクティー”
手軽でおいしい!マレーシアの名物モーニングセット
マレーシアの喫茶店・コピティアムの名物モーニングと言えば「カヤトースト」。今回は、食パンのトーストにバターとカヤジャムを塗り、温泉卵をのせた現地で人気のアレンジバージョン「ハーフボイルドエッグ・トースト」をご紹介。合わせてマレーシアの国民的ドリンクである泡の紅茶「テタレ」のレシピも紹介します。温泉卵がとろりとからむ、バターの風味豊かなトーストとテタレは抜群のペアリングです。
おススメのパン
材料(1人分)
[ハーフボイルドエッグ・トースト] |
|
ロイヤルブレッド(6枚切り) |
1枚 |
バター |
大さじ1 |
カヤジャム |
大さじ1 |
温泉卵(市販のもので可) |
2個 |
[テタレ(アイスティー)] |
|
濃いめに淹れた紅茶 |
200ml |
コンデンスミルク |
大さじ2 |
氷 |
適量 |
作り方
- テタレを作ります。最初にグラスを用意し、氷をたっぷり入れておきます。
- 大きめのカップを2つ用意し、1つに濃いめに淹れた紅茶とコンデンスミルクを入れてかき混ぜたら高く持ち上げ、もう一つの空のカップに落とすようにして注ぎ入れます。この作業を数回繰り返し、泡が立ったら①のグラスに注ぎ入れます。
- ハーフボイルドエッグ・トーストを作ります。ロイヤルブレッドはトースターなどでこんがり焼き、片面にバター、さらにその上からカヤジャムを塗ります。
- ③を十字に切って器に盛り、中央に温泉卵を割り落とします。食べるときは卵を崩してパンにからめながら、②とともにどうぞ。
ひとくちメモ
2つのカップでテタレを注ぎ合う作業は、ある程度紅茶が飛び散るので、汚れても大丈夫な服装や場所で行いましょう。泡立ちはそれほど強くなくても大丈夫。空気を含ませるように混ぜることが、おいしさのポイントです。
また、カヤジャムと温泉卵を手作りする場合は、
こちら
(シンガポール共和国編)を参考にしてください。