シンガポール共和国
夏こそおいしい。
街角グルメの麺とパン!
シンガポール名物の「ホッケン・ミー(福建麺)」。2種類の麺を使い、魚介×豚骨のダブルスープで煮込む独特の調理法は、卵入り小麦麺でコシの強い食感を出し、ビーフンは味を吸収させるためと実は理に適ったもの。中国・福建省からの移民が完成させたとされる。
撮影:牧田健太郎
月刊ダンチュウ[dancyu]
2022年 7月号
編集タイアップ企画より
シンガポール名物の「ホッケン・ミー(福建麺)」。2種類の麺を使い、魚介×豚骨のダブルスープで煮込む独特の調理法は、卵入り小麦麺でコシの強い食感を出し、ビーフンは味を吸収させるためと実は理に適ったもの。中国・福建省からの移民が完成させたとされる。
撮影:牧田健太郎
月刊ダンチュウ[dancyu]
2022年 7月号
編集タイアップ企画より
シンガポール共和国
夏こそおいしい。街角グルメの麺とパン!
*取材協力:「松記鶏飯」東京都千代田区神田司町2-15-1 ☎︎03-5577-6883 シンガポール通に人気、現地の味を楽しめる店。
www.facebook.com/songkeejeefan
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汗ばむほどの辛味とエスニックな香り。眩しい太陽の下で味わえば、心は南国のリゾートに誘われる。夏こそおいしいアジア麺。なかでも近年、旅行者や在住経験者が発信源となり、人気が高まっているのがシンガポールの「ホッケン・ミー」だ。
漢字で書くと「福建麺」。日本では福建焼きそばとも紹介されるが、いわゆる中華の炒麺(チャーメン)とは見た目から違う。麺は卵入りの小麦麺とビーフンの2種使い。具は魚介類に肉、野菜、卵と盛りだくさんで、これらを炒め合わせ、海老だし×豚骨のダブルスープで煮込む。さらに東南アジアの唐辛子ペーストであるサンバルと、ライムなどの柑橘類を添え、味変しながら楽しむのが現地流。一皿に中華料理とマレー料理が融合し、何層もの口福が味わえる。シンガポーリアン自慢の国民食だ。
このホッケン・ミーをはじめとし、シンガポールの食が満喫できるのが“ホーカーズ”。さまざまな屋台が集まる食堂広場で、朝昼晩とも外食が珍しくない地元民の日常の食卓でもある。とはいえ、街角グルメと侮るなかれ。なかにはミシュランの星つき店もあり。一食にかける情熱が半端でないこの国では、店も客も美味を求めて真剣勝負。飛び交う声の賑やかさとともに、場内は活気にあふれている。
「カヤトースト」は、そんなホーカーズの定番朝食。英国由来のトーストで、ココナッツミルクに卵、タイ原産のハーブであるパンダンリーフなどでつくるカヤジャムを挟んだサンドイッチ。こちらは東西食文化の融合から生まれたもので、何より南国の甘い香りがこの国らしい味わいだ。
朝から開くホーカーズなら、少し早起きして訪れてもいい。仕込みに励む店主とまばらな客しかいない時間帯、場内は一日の始まりを迎えた不思議な連帯感に満ちている。その中で漂い始めるカヤトーストの香り。一口頬張れば、温かい味わいに美味が与えてくれる力をしみじみ実感するのだ。
おススメのパン
魅惑の香りとコク、食感のハーモニー。シンガポール名物「カヤトースト」
手作りカヤジャムのおいしさ実感。温泉卵をからめる現地の食べ方もご紹介
シンガポールの朝食の定番「カヤトースト」は、香ばしく焼いたパンとエスニックなカスタードのようなカヤジャム、板状バターのハーモニーが魅力のトーストサンドイッチ。アジアの甘口醤油と白胡椒をふった温泉卵(写真右奥)をからめるようにして食べるのが現地流です。魅惑の香りと甘じょっぱい味わい、コク、食感が織りなすおいしさを、ぜひご家庭で。
おススメのパン
材料(1人分)
ロイヤルブレッド(8枚切り) |
2枚 |
カヤジャム(※) |
適量 |
バター(薄い板状に切る) |
2枚 |
卵 |
2個 |
ダークソイソース (九州の甘口醤油で代用可) |
適量 |
白胡椒(パウダー) |
適量 |
※[カヤジャム](作りやすい分量) |
|
ココナッツミルク |
1缶(400ml) |
卵 |
5個 |
砂糖 |
200g |
パンダンリーフパウダー(なくても可) |
小さじ1 |
作り方
- 最初にカヤジャムを作ります。ボウルに卵を割り入れ、泡立て器で溶いたら砂糖を加えて混ぜ合わせ、さらにココナッツミルク、パンダンリーフパウダーも加えてよく混ぜ合わせます。
- ①をボウルごと75〜80℃ぐらいの湯を張った鍋にのせ、湯煎にかけながら、ダマにならないようにゴムベラで約45分混ぜます。もったりとしてきたら火からおろし、粗熱を取って冷蔵庫で冷やしておきます。
- 温泉卵を作ります。厚手の鍋で水1Lを沸騰させたら火を止め、差し水200mlを加えたら、卵の殻が割れないようにレードルなどを用いて静かに沈めます。鍋にアルミホイルをかぶせ、さらに上から鍋蓋をして12分置きます。
- ③の鍋から卵を取り出し、常温で5分置いてから氷水で冷やし、冷めたら水気を拭き取ってから器に割り入れます。
- ロイヤルブレッドはトースターでこんがりと焼き、それぞれの片面に②を適量塗ります。塗った面を内側にして、あらかじめ冷凍庫で冷やしておいたバターを挟みます。
- ⑤を食べやすいよう半分に切り、④とともに食卓へ。④にはダークソイソースと白胡椒を好みの量だけ加え、スプーンなどで崩してから、⑤のトーストをからめながらどうぞ。
ひとくちメモ
パンは麺棒などで軽くのばしてから焼くとサックリした食感が増し、より現地の味に近づきます。カヤジャムは市販品でも代用できますが、手作りのおいしさをぜひ一度味わってみてください。冷蔵庫で約10日間は保存可能です。