ロシア連邦
挽き肉パンのスター、
私のピロシキ!
サクッと香ばしい生地が美味な「焼きピロシキ」。手前が定番の挽き肉入り、奥が炒めたキャベツがメインの野菜入り。基本は家庭料理だが、街角のスタンドで、レストランでは前菜としても親しまれている。
撮影:牧田健太郎
月刊ダンチュウ[dancyu]
2022年 2月号
編集タイアップ企画より
サクッと香ばしい生地が美味な「焼きピロシキ」。手前が定番の挽き肉入り、奥が炒めたキャベツがメインの野菜入り。基本は家庭料理だが、街角のスタンドで、レストランでは前菜としても親しまれている。
撮影:牧田健太郎
月刊ダンチュウ[dancyu]
2022年 2月号
編集タイアップ企画より
ロシア連邦
挽き肉パンのスター、私のピロシキ!
*取材協力:「Cafe RUSSIA(カフェロシア)」東京都武蔵野市吉祥寺本町1-4-10 ナインビル地下1階 ☎︎0422-23-3200 ロシアやウクライナ出身のスタッフがつくる家庭料理の店。
https://caferussia.web.fc2.com
- SNSでシェアする
-
-
香ばしいパンからあふれる肉汁!挽き肉入り惣菜パンの世界的スターと言えば、「ピロシキ」。ロシアはもちろん、周辺の国々や欧米各国、アジアでも人気。日本には大正時代に伝わり、その後、カレーパン誕生のヒントになったとの説もある。
このピロシキ、実は母国では日本でおなじみの揚げパンタイプより、オーブンで焼いた「焼きピロシキ」が主流。背景には、ペチカの存在がある。
ペチカとは、冬の寒さが厳しいロシアの伝統的建物になくてはならない暖炉兼オーブンのこと。焚き口にくべられた薪や石炭の熱が煙道を通って壁一面を暖め、同時に竈(かまど)にも使われてオーブンとなる。ピロシキの原型は、このペチカの料理。それが東へ伝わり、中国料理の影響から油で揚げるタイプが誕生。日本に伝来したというわけだ。
現在は全土で焼きあり、揚げあり。具は挽き肉に加えて野菜や魚、ゆで卵と長ねぎ、チーズ……。ジャム入りの甘いピロシキなど百花繚乱。家庭ごと、一人一人に“私のピロシキ”があるとも言われる。
これほどのピロシキ愛を育んでいるのが、おばあちゃんの料理だ。母を通り越して祖母?とも思うが、ロシア人にとっておばあちゃんの味は特別らしい。親族が集まるとき、食卓の中心はおばあちゃんが手間ひまをかけてつくるスープやピロシキ。今ではペチカのある家は少ないけれど、その味わいや暖かい部屋で過ごした記憶は、祖母の手料理に受け継がれている。寒さも忘れさせ、心も体も温まる。「優しい味なんだ」と、あるロシア人は言う。
さて、そんなロシアの朝食。共働きが多いお国柄で、朝はパンと冷菜で済ませることも多い。とはいえ家族の体調に合わせ、時に「後で食べてね」と手づくりのピロシキを持たせるのは、やはり母親。「おばあちゃんには敵わないけど」と一言添えて。それでもどこか似ているその味に、誰もが一日の元気をもらうのだ。
おススメのパン
ペチカが育んだ温かな滋味。
深紅のスープ「ボルシチ」
パンと相性抜群!じっくり煮込んだ美味を時短で再現
ロシアではその昔、ほぼ一日中ペチカに火がくべられ、竈(かまど)でスープや煮込みが調理されてきました。その代表格が国民的スープの「ボルシチ」。ビーツをはじめとする根菜と肉をじっくり煮込んだ美味を、家庭で作りやすいレシピで紹介します。
おススメのパン
材料(4人分)
ダブルソフト |
4枚 |
豚角切り肉(カレー、シチュー用) |
400g |
ビーツ水煮缶 |
1缶(425g) |
玉ねぎ |
1個 |
にんじん |
1本 |
トマト |
1/2個 |
じゃがいも(メークイン) |
1個 |
キャベツ |
200g |
ディル(フレッシュハーブ) |
小1パック |
にんにく |
3片 |
塩 |
大さじ1と1/2 |
胡椒 |
少々 |
水 |
1L |
サラダ油 |
大さじ2 |
サワークリーム |
大さじ山盛り4 |
作り方
- 鍋に豚角切り肉と分量の水を入れて強火にかけ、沸騰したらアクをとって弱火にし、25分煮ます。
- フライパンにサラダ油を中火で熱し、みじん切りにした玉ねぎを透き通るまで炒めたら、ささがきにしたにんじんを加えて柔らかくなるまで炒め、角切りにしたトマトを加えて汁けがなくなるまで炒めます。
- ①の鍋に②、拍子木切りにしたじゃがいもを入れて5分、火を調節しながらコトコト煮込んだら、せん切りにしたキャベツ、塩、みじん切りにしたディル、すりおろしたにんにく、拍子木切りにしたビーツ水煮缶を缶汁ごと加え、胡椒をふって、沸騰したら火を止めます。
- ダブルソフトは、オーブンまたはオーブントースターでこんがりと焼きます。
- ③のスープと④のパンを、それぞれ人数分、器に取り分けます。スープには、サワークリーム大さじ山盛り1ずつをのせ、かき混ぜながらいただきます。
ひとくちメモ
本来なら長時間かかるボルシチを、30〜40分で仕上げるレシピです。時短とはいえ、出来上がりは野菜と肉の滋味がたっぷり。食べるときは、まずサワークリームを混ぜずに一口、その後かき混ぜていただくと一皿で二度おいしい!スープの色がピンク色に変化するのも楽しみの一つです。