ネパール
ガンダキ州
“カレー蕎麦がき”と
心を繋ぐパン
蕎麦粉や小麦粉など数種の穀物粉を湯で練った「ディド」にネパール風チキンカレー、旬の野菜料理を合わせた定食セット。料理を噛んだ後、唐辛子やハーブのペーストをディドにつけ、一緒に飲み込むのがおいしい食べ方。その姿と味は、日本的に言えば“カレー蕎麦がき”。
撮影:牧田健太郎
月刊ダンチュウ[dancyu]
2022年 12月号
編集タイアップ企画より
蕎麦粉や小麦粉など数種の穀物粉を湯で練った「ディド」にネパール風チキンカレー、旬の野菜料理を合わせた定食セット。料理を噛んだ後、唐辛子やハーブのペーストをディドにつけ、一緒に飲み込むのがおいしい食べ方。その姿と味は、日本的に言えば“カレー蕎麦がき”。
撮影:牧田健太郎
月刊ダンチュウ[dancyu]
2022年 12月号
編集タイアップ企画より
ネパールガンダキ州
“カレー蕎麦がき”と心を繋ぐパン
*取材協力:「プルジャ ダイニング」東京都豊島区巣鴨1-34-4 1階 ☎︎03-6882-3013 本物のネパール家庭料理が味わえる店。
twitter.com/purja99
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世界の屋根と呼ばれるヒマラヤ登山の玄関口、ネパールの中央に位置するガンダキ州。州都ポカラは白く輝く峰々と美しい湖が織りなす風光明媚な街であり、州内には日本の農村にも似たのどかな田園風景が点在する。ヒマラヤの雪解け水が注ぐせせらぎと、緑きらめく田畑。どこか心の故郷に迷い込んだようでもある。
実は蕎麦の名産地。中国南西部とされる原産地に近いこともあり、古くからの蕎麦食文化が息づいている。
この地の主食の一つが「ディド」。蕎麦粉を熱湯で練ったもので、日本の蕎麦がきと瓜二つ。喉ごしを味わうという楽しみ方も同様だ。付け合わせはカレーや豆のスープ、スパイスを効かせた野菜料理に漬物といかにもネパール風だが、不思議なほど懐かしさを覚える味である。
旬を大切にするネパールの人々。ディドも蕎麦粉だけでなく、小麦粉やきび粉など季節の穀物でもつくるのだそう。一緒に食べる野菜もとれたてが基本。
「食事は母なる大地から命をいただくこと」とある村の住人。大切な命が分け隔てなく誰にも行き渡るよう、どんなに大人数の家族でも、朝から全員で食卓を囲むという。もし料理が余れば、近所の人と分かち合うのも常。時と場所によっては一つの村でも複数の民族が暮らす多民族国家だが、皆が平和に繋がっているのは、その中心に食があるからかもしれない。
さて、長く欧米からの登山客をもてなしてきた影響か、ネパールは西洋パンがおいしい土地でもある。ポカラなどの都市ならベーカリーも多く、朝からパンを買いに行くことも珍しくないと聞く。隣人が忙しそうなら、時に二家族分の大きな籠を肩にかけ、「買ってきたよ」とパンを渡せば、香ばしい香りとホカホカのぬくもりが手から手へ伝わっていく。街と村と、暮らしぶりは違っても、その中心にあるネパールの心は変わらない。
おススメのパン
スパイシーなおいしさ。ネパール風「卵トースト」と「トマトスープ」
パンと卵のふわふわ食感。野菜とスパイスの風味が香るおいしさです
ネパールでは、“パウロティ”と呼ばれる食パンもポピュラー。甘い紅茶や牛乳に浸したり、ジャムを塗るなどして広く親しまれています。今回は、やはり現地で定番!塩味のフレンチトーストのような「卵トースト」と、相性抜群の「トマトスープ」のレシピをご紹介します。
おススメのパン
材料(2人分)
[卵トースト] |
|
超芳醇(8枚切り) |
2枚 |
卵 |
3個 |
長ねぎ(小口切り) |
ひとつまみ |
赤玉ねぎ(みじん切り) |
1/4個分 |
パクチー(みじん切り) |
適量 |
チリパウダー、山椒粉 |
各適量 |
塩 |
少々 |
オリーブオイル |
適量 |
[トマトスープ] |
|
トマト(大) |
1個 |
にんにく(みじん切り) |
ひとかけ分 |
玉ねぎ(みじん切り) |
5g |
パクチー(みじん切り) |
適量 |
A クミン、フェンネル、コリアンダー、 フェヌグリーク(すべてシード) |
合わせて3g |
チリパウダー、山椒粉 |
各少々 |
塩 |
少々 |
オリーブオイル |
大さじ1 |
水 |
300ml |
作り方
- 最初に[トマトスープ]をつくります。オリーブオイルをひいた鍋に、にんにく、Aを入れて弱火にかけ、香りが立ったら、玉ねぎを加えて透き通るまで炒めます。
- ①に細かく刻んだトマトを加え、トマトから水分が出るまでさらに炒めます。
- ②に水、チリパウダー、山椒粉、塩を加えて中火にし、沸騰したらパクチーを入れます。最後に味をみて、足りないようなら塩少々で味を調え、器に盛って、みじん切りにしたパクチー(分量外)を散らします。
- [卵トースト]をつくります。ボウルに卵を割り入れて溶き、長ねぎ、赤玉ねぎ、パクチー、チリパウダー、山椒粉、塩を加えて混ぜ合わせたらバットなどに移し、超芳醇を浸します(このとき、卵液や具をある程度、残しておきます)。
- オリーブオイルをひいて弱めの中火にかけたフライパンに④の超芳醇1枚を入れ、途中、バットに残った卵液や具をかけながら、何度か上下を返して、両面をこんがりと焼きます。もう1枚のパンも同じように焼きます。
ひとくちメモ
スパイスの量はお好みで調節してください。また、パクチーが苦手な方はなしにしても、あるいはお好みの香味野菜で代用しても、ひと味違ったおいしさが楽しめます。