ハンガリー
卵とパンで祝う。春の食卓!
煮出した玉ねぎの皮で赤く染めたイースターエッグと、復活祭のパン「フォノット・カラーチ」。パンはそのまま食べてもおいしいが、バターやジャムをつける人が多い。復活祭は移動祝祭日で、今年は4月9日(東方教会では4月16日)。
撮影:牧田健太郎
月刊ダンチュウ[dancyu]
2023年 5月号
編集タイアップ企画より
煮出した玉ねぎの皮で赤く染めたイースターエッグと、復活祭のパン「フォノット・カラーチ」。パンはそのまま食べてもおいしいが、バターやジャムをつける人が多い。復活祭は移動祝祭日で、今年は4月9日(東方教会では4月16日)。
撮影:牧田健太郎
月刊ダンチュウ[dancyu]
2023年 5月号
編集タイアップ企画より
ハンガリー
卵とパンで祝う。春の食卓!
*取材協力:「AZ Finom(アズフィノム)」東京都渋谷区神宮前2-19-5 AZUMAビル地下1階 ☎︎03-5913-8073 ハンガリー人シェフによる本格ハンガリー料理とハンガリーワインが楽しめる店。
www.az-group.jp/az-finom/
- SNSでシェアする
-
-
長い冬が終わり、首都ブダペストでは黄色のレンギョウや桜に似たアーモンドの花が開き始める4月。まだまだ寒さがぶり返す日も多い中、ハンガリーの人々の心を一足飛びに春へと誘う行事が今年もやって来た。
復活祭。キリスト教の国ではクリスマスに匹敵する祝祭日で、同時に春の到来を喜ぶ節目でもある。ハンガリーでもさまざまなイベントが開催。男性が女性を花に見立てて水をかけ、返礼に美しく染めたイースターエッグをもらうという独特の風習もある。
そんな伝統行事のクライマックスが、家族揃って楽しむイースターの朝食や昼食。ご馳走とともに食卓を飾るのは、イースターエッグと特別なパンである。
パンの名前は「フォノット・カラーチ」。牛乳や卵、バターを生地に練り込んだほのかに甘い編み込みパンだ。なぜ復活祭に食べるかは定かでないが、似たような編み込みパンは昔からヨーロッパ各地で祭事に用いられており、その歴史は古代ギリシャにまで遡るという。
店でも買えるが、手づくり派が多く、見た目は巧緻なものから編み込みが崩れたぶきっちょなものまでいろいろ。けれど、誰もが自分の家のパンが最高だと思っている。それぞれに積み重ねられたイースターの思い出が編み込まれたパンは、どれも幸福の味がする。
さて、普段から大勢での食事が好きなハンガリー人。かつては祝日や行事の日に人を招き、パンとともにステーキまで並ぶ豪華な朝食を囲む文化もあった。「時間に余裕があった昔の話」と聞くけれど、その精神は受け継がれていると言うべきか、今も朝食を大事にし、たっぷり食べる人が多い。そして変わらないことがもう一つ──どんな朝も、どんな季節も楽しみながら迎えてきた自分の家の食卓を彼らが愛しているということだ。
おススメのパン
パンと一緒がおいしい。ハンガリー流・季節の野菜料理2品
野菜がたっぷりとれるパンの友。体も心もほっとする味わいです
四季があり、旬を楽しむ文化が生きるハンガリー。今回は春〜初夏の定番料理、ミルク風味の「グリーンピースのフーゼレーク」(手前)とハンガリー風ラタトゥイユ「レチョー」(右奥)を紹介します。どちらも素材を生かした優しい味わいで、朝にぴったり。パンと合わせるとおいしさが膨らみます。
おススメのパン
材料(1人分)
スペシャルパリジャン |
適量 |
[グリーンピースのフーゼレーク] |
|
グリーンピース(冷凍も可) |
50g |
玉ねぎ |
50g |
パセリ |
少々 |
牛乳 |
200ml |
バター、オリーブオイル |
各大さじ1 |
小麦粉 |
大さじ1 |
塩、砂糖 |
各1つまみ |
パセリオイル(※) |
適量 |
[レチョー] |
|
パプリカ(赤・緑) |
各1/2個 |
玉ねぎ |
1/4個 |
トマト |
中1個 |
にんにく(すりおろす) |
小さじ1 |
オリーブオイル |
大さじ1 |
塩、胡椒 |
各適量 |
パプリカパウダー |
少々 |
砂糖 |
少々 |
水 |
50ml |
パセリオイル(※) |
適量 |
※パセリオイル(作りやすい分量) |
|
パセリ |
小1束(約30g) |
オリーブオイル |
大さじ2(約28g) |
作り方
- 最初に、パセリオイルを作ります。パセリは太い軸を除いてざく切りにし、ミキサーまたはブレンダーに入れ、オリーブオイルを加えて撹拌します。
- [グリーンピースのフーゼレーク]を作ります。フライパンでバター、オリーブオイルを中火で熱し、みじん切りにした玉ねぎを入れて炒め、玉ねぎが透き通ってきたら、グリーンピースとみじん切りにしたパセリを加えてさらに1分ほど炒めます。
- ②を弱火にしたら小麦粉をふり入れて混ぜ合わせ、牛乳を少しずつ加えて、ダマができないようによく混ぜます。全体がとろりとしてきたら、塩、砂糖を加えてさっと混ぜて器に盛りつけます。パセリオイル少々を回しかけ、ミニトマト、ディル、ベビーリーフ(分量外/なくても可)を飾ります。
- [レチョー]を作ります。フライパンでオリーブオイルを中火で熱し、薄切りにした玉ねぎをさっと炒めたら、食べやすく切ったパプリカを加えてさらに炒め、全体に火が通ったら、塩、胡椒各少々とにんにく、パプリカパウダーをふり入れて混ぜ合わせます。
- ④に、湯むきしてざく切りにしたトマトと水を加え、トマトをつぶしながら煮込みます。トマトがなめらかになって全体になじんだら、塩、胡椒各少々と砂糖を加えて混ぜ、器に盛りつけます。パセリオイルを回しかけ、ミニトマトやベビーリーフ(分量外/なくても可)を飾ります。
- スペシャルパリジャンを約1.5cm幅の斜め切りにし、オーブンまたはオーブントースターでこんがりと焼いたら、③⑤に添えます。
ひとくちメモ
写真の「レチョー」には、ハンガリーのショートパスタであるガルシュカも入っています。今回のレシピのようにガルシュカなしでも十分おいしいですが、ボリュームがほしいときには市販のショートパスタをゆでてから混ぜても、またひと味違った楽しみが味わえます。