ギリシャ共和国
アテネ
国民的ラップサンドと日々を楽しむ
古くからギリシャで愛されてきたラップサンドの「ピタ・スブラキ」。肉のマリネの仕方やヨーグルトソースの味わいなどはつくり手ごとに個性があり、添えたフライドポテト(奥)は予め具の一つとして巻き込まれてくることも多い。
撮影:牧田健太郎
月刊ダンチュウ[dancyu]
2023年11月号
編集タイアップ企画より
古くからギリシャで愛されてきたラップサンドの「ピタ・スブラキ」。肉のマリネの仕方やヨーグルトソースの味わいなどはつくり手ごとに個性があり、添えたフライドポテト(奥)は予め具の一つとして巻き込まれてくることも多い。
撮影:牧田健太郎
月刊ダンチュウ[dancyu]
2023年11月号
編集タイアップ企画より
ギリシャ共和国アテネ
国民的ラップサンドと日々を楽しむ
*取材協力:「ギリシャ料理 スピローズ」東京都大田区蒲田5-7-6 CCMビル3階 ☎︎03-6715-7629 ギリシャのタベルナ(食堂)を思わせる雰囲気の中、本格ギリシャ料理を楽しめる。
www.spyros.tokyo
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年間約300日が晴天。歴史あるギリシャの首都、アテネは太陽に愛された街でもある。住民たちの陽光への愛も人一倍。食事も青空の下が大好きで、料理をテイクアウトして広場や公園に出かけたり、レストランやカフェでも戸外のテーブルを選ぶ人がほとんどだ。
そんな彼らの大好物が「ピタ・スブラキ」。スブラキとは豚肉や鶏肉、羊肉などの串焼きのことで、何と紀元前から食べられていたというギリシャのソウルフード。これを串から外し、たっぷりの野菜やザジキ(ヨーグルトソース)と一緒にピタパンで包んで食べる。いわばパンの巻き物とも呼べる国民的ラップサンドである。
思ったより厚みのあるパンから、こぼれ落ちるほどにボリューミーな具。とても食べやすいとは言えないけれど、あふれ出る肉汁にサラダ感覚の野菜とソース、パンの風味が混じり合ったおいしさは格別。口のまわりに多少ソースがついても気にしない。楽しそうに味わう人々の表情は幸福そのものだ。
食事時は、彼らが最も大切にしている時間でもある。ある調査によれば、ギリシャは1日のうちで食事にかける長さも世界で1、2位を争うそう。老若男女、食べて飲んで、ひっきりなしに会話して、歌って踊って……。時には観光客も引き入れてくれるのがこの街の住民たち。陽気で開放的、そして自分たちの暮らしや生き方がちょっぴり自慢げな彼らの姿が垣間見られる。
さて、そんなアテネの朝。人や車が行き交う様は一見、よくある現代都市の風景。だが一歩歩き出せば、そこにはアテネらしさが見つかる。アクロポリスの丘が見守る中、焼きたてを山積みにしたパンの屋台と、通勤途上で買い求める人々の笑顔。どこからか聞こえてくる鼻歌に、青い空。この街は今日も温かく、輝いている。
おススメのパン
実は秋が旬!トマトとパンで作るギリシャのメゼ「ダコス」
みずみずしいトマトのサラダをバターが香るパンにのせて
夏野菜と呼ばれるトマトですが、実は高温多湿な日本では夏より秋から初冬においしくなる野菜です。「ダコス」は、パンやラスクにトマトとフェタチーズなどのサラダをのせたギリシャのメゼ(前菜)。現地では硬い乾パンを水でふやかして使うことが一般的ですが、今回は身近でおいしいバター入りフランスパンを使ったアレンジレシピを紹介します。
おススメのパン
材料(1人分)
塩バターフランスパン |
2枚 |
トマト |
1/2個 |
パプリカ(黄) |
1/4個 |
フェタチーズ |
15g |
黒オリーブ |
2粒 |
パセリ(みじん切り) |
少々 |
オリーブオイル |
大さじ1 |
塩、胡椒 |
各少々 |
バター |
お好みで |
作り方
- ボウルに小さめの角切りにしたトマトとパプリカ、オリーブオイル、塩、胡椒を入れ、混ぜます。
- 塩バターフランスパンは、お好みで片面に薄くバターを塗り(なくても可)、トースターなどでこんがりと焼きます。
- ②を器に並べ(バターを塗った場合は、塗った面を上にする)、パン1枚につき①を半量ずつ盛ります。
- ③の上に、フォークの背などで軽くすり潰したフェタチーズ、薄切りにした黒オリーブ、パセリを半量ずつ散らします。
ひとくちメモ
今回、使った黒オリーブはギリシャ産のカラマタオリーブ。ヨーロッパでは人気の高い、肉厚でフルーティーな品種です。ネットなどでも購入できるので、機会があればぜひ試してみてください。本場の味にぐっと近づきます。