コロンビア共和国
朝食の幸せは、おいしいパンとともに
紀元前から食べられているというコーンブレッドの「アレパ」に、長ねぎとトマト入りのスクランブルエッグを合わせたコロンビアの典型的な朝食。添えられた白い半球はモッツァレラチーズで、右奥のホットチョコレートに入れて一緒に味わう。
撮影:牧田健太郎
月刊ダンチュウ[dancyu]
2024年2月号
編集タイアップ企画より
紀元前から食べられているというコーンブレッドの「アレパ」に、長ねぎとトマト入りのスクランブルエッグを合わせたコロンビアの典型的な朝食。添えられた白い半球はモッツァレラチーズで、右奥のホットチョコレートに入れて一緒に味わう。
撮影:牧田健太郎
月刊ダンチュウ[dancyu]
2024年2月号
編集タイアップ企画より
コロンビア共和国
朝食の幸せは、おいしいパンとともに
*取材協力:「Niki’s Kitchen英語料理教室」各国本場の味をネイティブ講師に教わる料理教室。今回は、コロンビア出身のカミラ先生が担当。
www.nikikitchen.com
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神様はこの地に、なぜこれほど多くのものを詰め込んだのだろう。常夏のカリブ海沿岸に氷河の残るアンデスの高峰、大平原、アマゾンのジャングルまで共存した国土は驚くほど変化に富み、動植物は地球上で有数の多様性を誇る。新大陸発見以降は、世界各地から移住した人々で多民族国家がつくられ、多彩な文化も流入した。
食文化においては先住民の調理法や土地土地の食材に、スペインやアフリカ諸国などから持ち込まれた味が融合。そんな中、数は少ないが、先コロンブス時代からほぼ変わらぬ形で受け継がれている料理もある。とうもろこしのパン「アレパ」も、その一つだ。
基本はアレパ専用のとうもろこし粉をこねて成形し、フライパンで焼くシンプルなパンだが、生地にチーズを混ぜたり卵を詰めたり、揚げたり蒸すなど70種類以上も調理法があるという。さらにどんな料理とも合い、腹持ちもいい。先住民だけでなく新住民にも愛されたのには多くの理由があるのだ。だが、このパンの最大の魅力はアレパ自身、体にしみわたるような優しい味わいだ。
街では屋台などでも見かけるが、昔から家庭の味。特に休日の朝、家族で楽しむ人が多いという。母のアレパを何枚もお代わりしつつ、賑やかな会話を弾ませる。そんな時間を暮らしの糧に、みんな生きている。ルーツもさまざまなコロンビア人だが、彼らをつなぐ土台としてこの温かい味もひと役買っているに違いない。
さて、そんなこの国の朝食。忙しい平日は、トーストに果物など手軽でおいしいものが活躍するとのこと。ゆっくりする時間はないが、みんな「ごちそうさま、ありがとう」と母へのキスは忘れない。朝から音楽にあふれた街、霧に煙る農村……。土地ごとの情景は違っても、これがコロンビアだという幸せが食卓にちゃんとある。
おススメのパン
牛乳、卵、パンのおいしいハーモニー。朝食スープ「チャングア」
おいしさも栄養もたっぷり。朝にうれしいスープです
牛乳、卵、パン。朝の定番が一つになったコロンビアで人気の朝食メニューが「チャングア」です。ベースのミルクスープは香味野菜の風味がたっぷり。そこにトーストしたパンを浸し、ポーチドエッグを崩しながらいただきます。スープに香ばしさと深みを与えたトーストが、さらにスープを吸って柔らかくなり、おいしい!
おススメのパン
材料(3人分)
ダブルソフト |
適量 |
牛乳 |
2カップ |
水 |
1カップ |
長ねぎ |
1/2本 |
コリアンダー |
1/2束(約20〜25g) |
にんにく |
1片 |
卵 |
3個 |
バター |
大さじ1 |
塩 |
大さじ1 |
胡椒 |
少々 |
作り方
- 長ねぎ、コリアンダー、にんにくはみじん切りにします。
- 鍋に牛乳、水、塩大さじ1/2を入れて火にかけ、沸騰したら①、塩大さじ1/2、胡椒を加えて調味し、再度沸騰したら火を弱めてバターを加え、よく混ぜます。
- ②に卵を1個ずつ、黄身が崩れないように割り入れ、沸騰直前のふつふつした状態を保ちながら3〜4分煮ます。
- ダブルソフトはトースターなどでこんがりと焼きます。
- スープ皿1枚につき、③の卵を1個ずつ入れ、スープを均等に注ぎ、④のパンを食べやすい大きさにちぎって加えます。仕上げにみじん切りにしたコリアンダーを適量(分量外)散らし、ポーチドエッグを崩しながらどうぞ。
ひとくちメモ
浸したパンが具となり、同時に調味料のようにもなるスープです。体を温める香味野菜もたっぷり。あっさりとした優しい味わいで、コロンビアではお酒を飲んだ翌日の朝はこれに限ると言う人もいるそうです。