1. トップ
  2. 世界の朝食
  3. 冬。そこに温かな煮込みとパンがあれば…

冬。そこに温かな煮込みとパンがあれば… 冬。そこに温かな煮込みとパンがあれば…

フィンランド共和国 フィンランド共和国

冬。そこに温かな
煮込みとパンがあれば…

フィンランドの国民的煮込み「カルヤラン・パイスティ」に、主食のライ麦パンを添えて。この料理には、じゃがいもがつきもの。食卓では、一人一人が自分の皿に煮込みとゆでたじゃがいもやマッシュポテトをのせ、混ぜ合わせながら食べるのが現地流。
撮影:工藤睦子

月刊ダンチュウ[dancyu]2021年 2月号

月刊ダンチュウ[dancyu]
2021年 2月号
編集タイアップ企画より

フィンランドの国民的煮込み「カルヤラン・パイスティ」に、主食のライ麦パンを添えて。この料理には、じゃがいもがつきもの。食卓では、一人一人が自分の皿に煮込みとゆでたじゃがいもやマッシュポテトをのせ、混ぜ合わせながら食べるのが現地流。
撮影:工藤睦子

月刊ダンチュウ[dancyu]2021年 2月号

月刊ダンチュウ[dancyu]
2021年 2月号
編集タイアップ企画より

冬。そこに温かな煮込みとパンがあれば…
フィンランド共和国 フィンランド共和国

冬。そこに温かな煮込みとパンがあれば…

*取材協力:「Mikon(ミコン) Finland Shop&Café」フィンランド留学と多数の現地経験を持つオーナーによる、本場の料理と雑貨、文化交流の店。-19-14 メディス学芸大学2階 ☎︎03-6826-9314 旅する料理研究家・口尾麻美さんが各国で出合った料理とナチュラルワイン、クラフトビールを楽しめる店。
www.mift.net

  • SNSでシェアする
  • x
  • Facebook

場所によっては零下30℃にもなる。雪に覆われた冬のフィンランド。人々の暮らしは、そんな白い世界とともにある。一日の日照も限られた季節の中で、雪はむしろ明るさを与えてくれるもの。輝く夏の日差しとはまた違う、清らかで柔らかなその光を皆、愛しているのだ。

室内でも煌々(こうこう)と照らす電灯より、窓越しの雪明かりやキャンドルをともし、より寛いだ雰囲気で家族と過ごすことを好む。そんな時間をさらに幸福にしてくれるのが、煮込み料理。寒い土地ならではの温かな煮込みやスープがこの国には多いのだ。冬の台所から漏れるいい香りに、家族の思い出が蘇ると言う人も少なくない。

なかでも代表的な一品が「カルヤラン・パイスティ」。もとはロシアと接するカルヤラ地方の郷土料理で、今では全国的な家庭の味だ。レシピはシンプル。肉と玉ねぎ、人参などの野菜を塩、胡椒、少量のスパイスとともに3〜4時間煮込むのみ。だが、これがおいしい。ほろほろとほどける肉、旨味を吸った野菜、玉ねぎの甘味が溶け合ったスープの味が体にしみる。心まで温まるフィンランド料理の真骨頂だ。

その味わいを、さらに引き立ててくれるのが主食のライ麦パン。噛むほどに広がる酸味や風味が肉の滋味を際立たせ、おいしさがぐんと膨らむ。

そもそもフィンランドの食卓に欠かせないのがパン。人を招くときなどは数種類を用意し、料理との組み合わせを楽しむ。そんな集いが多いのも冬。賑やかな食卓は夜の長さも忘れさせる。太陽とは別の光を、この国の人はいくつも知っているのだ。

さて、日の出も遅い冬の朝。忙しい日でも、朝食はしっかりとパンやハム、チーズなどを用意するのがフィンランドの生活スタイルだ。小さな子供たちには、「きちんと食べてね」と優しく諭す言葉を添えて。明るい朝は温かな食卓に宿る。そんな思いが伝わる一日の始まりだ。

おススメのパン
ロイヤルブレッド

フィンランド流フレンチトースト「マリア・レイパ」

フィンランド流フレンチトースト「マリア・レイパ」

直訳は“ベリー・パン”。軽く爽やかなホイップクリームの風味と食感で、デザートにもぴったり

ベリーの宝庫・フィンランド。現地の人は夏、森で摘んだベリーをジャムやジュース、冷凍保存にして一年中楽しみます。「マリア・レイパ」は、フレンチトーストに“ラフカ”と呼ばれるヨーグルトに似た爽やかな風味の乳製品とベリーをのせたもの。フィンランドでも小麦粉の型焼きパンでつくられることが多く、週末のブランチなどで食卓を華やかに彩ります。

おススメのパン
ロイヤルブレッド

材料(3人分)

ロイヤルブレッド(6枚切り) 3枚
プレーンヨーグルト 40g
クリームチーズ 40g
生クリーム 40g
砂糖 大さじ2
1個
牛乳 150ml
バター 15g
ラズベリー 30g
ブルーベリー 30g
ミントの葉、蜂蜜、粉糖(なくても可) 各適量

作り方

  1. プレーンヨーグルトは、キッチンペーパーを敷いたザルなどにのせ、全体の重さが3/4程度になるまで水切りします(時間の目安:約1時間)。
  2. ボウルに①とクリームチーズを入れて混ぜ合わせ、全体がなめらかになったらホイップした生クリーム、砂糖大さじ1を加えてさらによく混ぜ合わせます。
  3. 別のボウルや深めのバットに砂糖大さじ1、卵、牛乳を入れてよく混ぜ合わせ、ロイヤルブレッドを浸します。
  4. フライパンにバター5gを熱し、③のロイヤルブレッド1枚を入れ、蓋をして弱火で2分、裏返してさらに2分焼きます。残り2枚のロイヤルブレッドも同様に焼きます。
  5. それぞれ半分に切った④を皿に盛り、②をのせて、ラズベリー、ブルーベリーを散らします。お好みでミントの葉を飾り、蜂蜜をかけ、粉糖をふります。

ひとくちメモ

“ラフカ”と呼ばれるフィンランドの爽やかな酸味を持つ乳製品を、プレーンヨーグルト、クリームチーズ、生クリームで再現、より軽やかにアレンジしたレシピです。
のせるベリーの種類はお好みで。ベリーの代わりにほかのフルーツをのせてもおいしく楽しめます。

世界の朝食バックナンバー

人気レシピランキング

閲覧レシピ

レシピまとめからレシピを探す

ヤマザキッチンコラム

スペシャルコンテンツ

人気のレシピ一覧