ベトナム社会主義共和国
街角の名物、
豆腐料理と朝のパン
ベトナムの街角を彩る豆腐料理とパン料理。手前が、食堂や屋台で人気の「揚げ豆腐のレモングラス炒め」。右奥は、ベトナムならではのパン料理「蒸しバイン・ミー」。ちなみにバイン・ミーは、ベトナム語でパンの総称。サンドイッチのほか多彩なパン料理の名前に登場する。
撮影:牧田健太郎
月刊ダンチュウ[dancyu]
2023年 2月号
編集タイアップ企画より
ベトナムの街角を彩る豆腐料理とパン料理。手前が、食堂や屋台で人気の「揚げ豆腐のレモングラス炒め」。右奥は、ベトナムならではのパン料理「蒸しバイン・ミー」。ちなみにバイン・ミーは、ベトナム語でパンの総称。サンドイッチのほか多彩なパン料理の名前に登場する。
撮影:牧田健太郎
月刊ダンチュウ[dancyu]
2023年 2月号
編集タイアップ企画より
ベトナム社会主義共和国
街角の名物、豆腐料理と朝のパン
*取材協力:口尾麻美さん。旅をしながら各国の食文化を伝える料理研究家。著書に『おはよう!アジアの朝ごはん』など。
twitter.com/asami_kuchio
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めくるめく食の世界へようこそ!そんな声が聞こえてきそうだ。メニューも店構えも多種多様な屋台がひしめき合うベトナムの街角。南北に長く変化の多い風土は、バラエティー豊かな食材や地方の味の宝庫。さらに中国、フランスという美食の国の影響が食文化に奥行きを与えている。
古くから庶民の食卓を支えてきた“豆腐料理”もその一つ。ベトナムの豆腐(ダウフー)は日本の豆腐と比べて身が締まり、旨味が濃厚。家でも食堂でも煮たり蒸したり、スープにしたり。なかでも絶品は揚げ豆腐で、たとえば香ばしい揚げ豆腐に、にんにく、唐辛子と炒めたレモングラスをからめる「揚げ豆腐のレモングラス炒め」は、はっとする旨さ。豆腐発祥の地とされる中国でも出合えない、ベトナムならではの味だ。
フランスからもたらされたパン食文化も同様。本場のバゲットより軽く柔らかなソフトフランスパンに、なますやパクチーなどの野菜、ハムやパテ、チャーシューなど多彩な具を挟むサンドイッチ「バイン・ミー」は、今や国民食。だが、現地ではこれだけにあらず。パンをカレーに合わせたり、焼鳥(ガーヌン)屋台では炭火で炙ってから蜜をかける焼きパンが定番だったり。
最近では「蒸しバイン・ミー」も旅行者の話題。もとは硬くなったパンをおいしく食べる家庭の知恵で、水に浸したパンに挽き肉炒めをのせ、蒸したもの。これにねぎ油とピーナッツを散らし、葉野菜で包んでから魚醤ベースのタレをつけて食べる。もはや西洋のパン食文化を逞しく吸収し、見事に昇華したベトナム独自のパン料理だ。
さて、そんなベトナムの朝。最も早いのは、朝食売りの屋台である。炭火でパンを焼いたり、大鍋で肉を煮たり……。街角に流れる香りに誘われるように、次々と人が集まってくる。大人も子供も元気に食べて、そして笑顔で挨拶を交わす。おいしさと温かさが混じり合う幸せが、この国の朝に詰まっている。
おススメのパン
注目のご馳走系!朝食サンドイッチ「シウマイのバイン・ミー」
サクッと軽い食感のフランスパンとトマトソース肉団子&野菜のフィリングが好相性
現地で人気のご馳走系バイン・ミーです。シウマイは漢字で書けば“焼売”。ただ、ベトナムでは皮に包まない肉団子のことで、トマトソースで煮込んだシウマイを潰し、バイン・ミーの定番惣菜であるなますやパクチーなどの野菜と一緒に、食感の軽やかなフランスパンで挟みました。ベストパートナーの「シントー・アボカド(アボカドのスムージー)」のレシピも【一口メモ】で紹介します。
おススメのパン
材料(3人分)
スペシャルパリジャン |
1本 |
マーガリン(またはバター) |
適量 |
なます(※) |
適量 |
きゅうり(スライス) |
適量 |
万能ねぎ(7〜8cm長さに切る) |
適量 |
パクチー(香菜) |
適量 |
[シウマイ] |
|
豚挽き肉 |
200g |
玉ねぎ(みじん切り) |
1/2個分 |
にんにく(みじん切り) |
小さじ1 |
フライドオニオン |
大さじ1〜2 |
卵 |
1個 |
シーズニングソース |
小さじ2〜3 |
砂糖 |
小さじ1/2 |
塩 |
小さじ1 |
胡椒 |
適量 |
[トマトソース] |
|
トマト(ざく切り) |
2個分 |
玉ねぎ(みじん切り) |
1/3個分 |
にんにく(みじん切り) |
小さじ1 |
サラダ油 |
大さじ1/2 |
A ヌクマム |
大さじ1 |
砂糖 |
大さじ1/2 |
チリソース |
大さじ1/2 |
※なます(作りやすい分量) |
|
大根(皮をむいて細切り) |
100〜150g |
にんじん(皮をむいて細切り) |
1/3本 |
砂糖 |
大さじ1 |
B 酢 |
大さじ1〜2 |
砂糖 |
大さじ1 |
塩 |
小さじ1/2 |
作り方
- 最初に、なますを作ります。大根、にんじんに砂糖をまぶし、水分が出てきたら水気を切ります。これを、Bの材料を混ぜたボウルに入れて漬けます。
- [シウマイ]を作ります。別のボウルに[シウマイ]の材料をすべて入れ、粘りが出るまでよく混ぜたら9等分にして丸め、耐熱容器に移して蒸し器で約10分、火が通るまで蒸します。
- [トマトソース]を作ります。フライパンにサラダ油を熱し、玉ねぎとにんにくを入れて弱火で炒め、香りが出てきたらトマトを入れてさらに炒め、トマトが煮崩れたらAの材料すべてと②を蒸し汁ごと入れて10分煮ます。火から下ろしたら、フォークの背などでシウマイを軽く潰しておきます。
- スペシャルパリジャンは3等分にしてトースターで温めたら、それぞれ厚みに切り目を入れ、内側にマーガリンを塗り、③のシウマイをソースごと1/3量ずつ挟みます。さらに、①のなます、きゅうり、万能ねぎ、パクチーを挟み、お好みで胡椒やシーズニングソース(ともに分量外)を具にふってどうぞ。
ひとくちメモ
添えた「シントー・アボカド(アボカドのスムージー)」は、ミキサーに氷1/2カップ、アボカドの果肉1個分、塩ひとつまみ、コンデンスミルク大さじ3〜4を入れ、クリーム状になるまで撹拌したもの。お好みで牛乳1カップ程度を加えて調整してください。